印刷の意味
印刷というのは大発明だと社会科か何かの授業で学んだ気がする。
もともと、グーテンベルグが起した大革命は、当時はひとつひとつ手書きで書き写していたものが、大量に印刷、一気に複製化することが可能だということ。
もちろん、今でもこの効果は破壊的だ。特にコピーマシンがこれほど普及した世の中において、誰もが紙の情報のコピーを取れる。場合によっては、カメラで写真を撮っておくか、なんてコピーの仕方も、ここまでスマートホンが普及した世の中では当たり前になってきている。
…と言う事を踏まえると、実は、昨今の「印刷」というか「コピー」とは、大量複製化のパワーと言うよりも、他の意味が強い。
それは、自分向けに、簡単に、自分用の物が目の前で作り上げられるということ。
紙の印刷ももちろん、最近盛り上がり始めている3Dプリンタも、「自分の欲しい結果」を、「自分の手元で作り上げられる」事。
「印刷」という意味が持つ、大量化、そしてそれによる個人所有可能化という部分が、徐々に意味がスライドし始めてきている。
すでに、文字、テキストを、自分用に書き、整形されたフォントを使って自分用にプリントアウトするなどと言うのは、ワープロの発展からこっちで、ずっとやってきたこと。
そしてそれが今、テキスト印刷のみならず、「モノ」の印刷へとシフトし始めることで、個人の創造性へのパワーシフトが現実のものになりつつある。
そうなった時の、価値の源泉、何に創造的価値を見出すのか、人との違いを見つけるのか?実は、どんどんと逆説的に、アナログ価値に帰っていくような気もしていたりする。
また違う機会に、もう少し掘り下げてみたい。