変化が無いように変化する
消費税率が変わったり、円高や円安が進んだりすると、物価が変動する。わかりやすく言えば、値上げが起きることがある。これまで100円で買えていたものが、その次の週からは110円になることだってある。
だが、消費者の立場からすれば、100円が110円に変化するのはとても目に見えやすい。印象に強く訴える。
「おっ、高くなったな」
誰もが分かる変化だ。
こういう時、メーカーサイドでは、それはそれで工夫する。もちろん、コストダウンできる工夫はいろいろ行うけれど、たとえば、それまでは「80gで100円」だったものを、値上げを機に「75gで100円」に、内容量を減らしたりする。「10個で100円」だったものが「9個で100円」になることだってある。
こうした変化は、よくパッケージを読み込んだり、内容量を見比べていなければ、なかなか気づきにくい。が、実際に手にした後で、「なんとなく少なくなったな」とか、「前はもうちょっと満足感あったのに」などという小さな変化で記憶の彼方に連れ去られていく。
こうした変化に気を付けていなければ、生活は徐々に切り崩されたり。そして、何も自分が変わっていないにもかかわらず、なにか、どこかが苦しくなってきたり。
それが自分事から発生しているのか、他人事から発生しているのか。