応対の現状

スマートホンを使って、いろんなアプリを登録し、会員になって「お得な」クーポンをゲット。それらを使って少しでもメリットを生かそう、と言う人もいるだろう。もちろん私もその一人。とある利用しやすい近隣店のクーポンを使うことがたまにある。

 

そのグループ店舗は、スマホ時代以前からクーポン展開をいろいろとしている会社であり、そうそうしょっちゅうではないけれど、年に数度、あぁそれならと利用することがあった。

そしてたまたま、先日がそういうタイミングだった。

 

そのお店に行く。クーポンの番号を見せる。

「これをひとつ」

と、店員が

「わかりました○○の商品ですね。お持ち帰りですか…」

と定型文をサラリと応答したところで…雲行きが怪しくなった。どうやら商品を切らしているようなのだ。店長級の人を呼んで、高機能なディスプレイのついたレジの前であれこれ相談する事30秒。

 

以前なら、

「申し訳ありません。ただいまその商品が売り切れですので、代わりにこちらになりますがよろしいでしょうか?」といった形で代替商品が提案され、そしてたぶん多くの消費者が、あまり抗うことなく、そちらになびいて、消費活動が成立していたであろうその瞬間。

だが今回は違った。代替商品すらもなさそうなのだ。アルバイトではなく、店長クラスの社員がレジを確認しても、やはり代替商品が設定されていないらしい。

店長「申し訳ありません。本日その商品はソースを切らしておりまして、売り切れとなっております。」

代替商品の提案がない。…できない。


たぶん、これが「マニュアル応対」ではなく、「考える応対」で対処を促している企業ならば、もしかするとできた店員は、

「代わりに、こちらの商品はいかがでしょうか?」

と、効能やその別商品の価値をサラサラと説明したかもしれない。その購買者の思いを汲み取って、その場に適した、たとえば暖かいものを欲しているのか、冷たい飲み物が欲しいのかといった提案にも持ち込めたかもしれない。

 

だが、それがなかったので私は清く諦めた。あぁ、ならまた来るよ、と。

 

相変わらずの季節の新製品も出しているようだが、同時に閉鎖店舗も増えているようだ。

現状の右肩下がりの売り上げ状況を体感するような出来事だった。