それには「答え」があるのですか?
日本の学校、少なくとも義務教育で教えることの多くが、「問」に対しての「答え」が何等か用意されていることが少なくない。そしてテストでは、その「答え」を覚えているかどうかを確認するテストが幅を利かせている。
だが実際に社会に出てみると、どんな課題、どんな問いにおいても、唯一絶対の解が存在することのほうが少なく、ほとんどの場合、多様な解が存在し、そして度の価値基準に沿って選ぶかといった基準も複数存在し、どれかに決断をすることに迷う、迷い続ける日々が続くのが日常。でも、学生時代から「唯一」の解だけを探していたりすると、時に何かを間違ってしまうことになる。
じゃぁどうやって解を導くのか?繰り返しになるけれど、その「解を求める方法」すら唯一の方法があるわけじゃない。だからこそ悩ましい。
でもこれは言えるだろう。関係者、関係項目を洗い出そう。特に人に関しては、こうした場合に使われる用語で「ステークホルダー」なんて言い方をするけれど、より分かりやすく言えば「利害関係者」だ。そうこの言葉でお分かりの通り、「利を受ける」関係者はもちろん「害を受ける」関係者も明確にすること。そしていかに双方にメリットを享受させるのか、してもらえる状況を作るのか?それはすぐに受けられるものもあれば、長年にわたって受けられるものもある。見かけ上の利は小さいが長く時間が続くものと、見かけ上の利は大きいが短期のものもあったりする。と同時に、不利益はどれだけ小さいのか?これも考え方は同じだ。
唯一絶対の答えはない。まずこれをきちんと理解すること。でなければ、「幻想の絶対解」をさがして、無限にさまようことになる。
だからそもそもそれぞれを「解」と呼ぶほうが間違いなのかもしれない。それらはすべて「今回としての落としどころ」に過ぎないはずのだから。