ご褒美が出るぞ

イソップのお話の一つに、「オオカミが来た」とウソをついていつも大人を惑わせ、最後に本当にオオカミが来ていることを言ったとしても信じてもらえずに、羊を食べられてしまうという童話があるのをご存じだろう。

 

 

昨今の経済状況は、半年ほど前はアベノミクスだなどと盛り上がってはいたものの、結局毎月の手取りとしての給料が上がった話はほとんど聞かず、ボーナスで一時的に対処したとか、そんなの大手だけじゃないの?といった声ばかりが多く聞こえてくる。

それよりも企業側での事業絞り込み、人員絞込みの方が多分かなり激しく、乾いたぞうきんを絞るがごとく、水のないところから水分を絞り出すかのようにして利益を絞り出す。

 

開発現場/生産現場では、毎回毎回厳しいコスト削減が言い渡され、今回が正念場だ、これを乗り切ればなんとか…といった声で鼓舞させられる。

期間短縮、価値創造、コスト削減、経費削減…

そうすれば何とか、これをすれば次は少しは楽になる…と言われながら、たまに大きなビジネスのあたりを引いたとしても、「こんな時こそ荒天準備」とか言われたり。

 

毎回毎回、「今度こそご褒美が出るぞ」と言われ続けても、やがて誰も信じなくなるんじゃないだろうか。

そしてそのうち、本当にご褒美を出せるタイミングになったとしても、それを受け取る人々は、自社の社員として、もしくは国民として存在しているんだろうか?

 

100年安心だとか、これで安心だと思わせたい気持ちはわかるけれど、そろそろ“本当の事”をうまく話す人が、もてはやされそうな気がするんだけれど。