ぬくもりのキョリ

メールが普及し始めたころ、手書きの手紙ではできないスピードに驚きとありがたみを感じるとともに、手書きではないその文面に、人のぬくもりが失われている感覚を持った人がいたことだろう。

 

メールよりももっと早いチャットシステムもあったけれど、当時は基本的に「パソコン」がなければやり取りできない前提であったこともあり、チャットシステムはそれほど流行らなかった。

 

ところが今、スマートホンが個人にいきわたりだしたことにより、メール以上にチャットを好む人が増え始めた。その少し前に、つぶやきがヒットしたこともあって、徐々に応答スピードの素早いモノへとシフトする。

 

けれど、音声での双方向対話には至らない。そこはある意味「漸近線」であり、決してそこには至らない境地にさえ見える。

 

ぬくもりを感じたいけれど、温度のみが伝わる距離。でも物理的接触はギリギリ行われない。これが今のキョリなんだろうか。