マニュアル車

最近はオートマ車の免許がデフォルトになっているのか、マニュアル車でのギアチェンジの概念とか、トルクの太さなんていう考え方をしながら車の運転をする人って減っているんでしょうね。

 

とは言え、オートマであろうとマニュアルであろうと、ある意味でのギアチェンジが生じるわけで。発進時にはロー、すぐにセカンドに上げてと、ギアを上げていくという考え方は、物理的には存在している。それを自動的にやってくれるか、自分が手と足で切り替えるかの違いに他ならない。

 

 

マニュアル教習で、いきなりサードギアに間違えて入れたまま、エンストさせたなんて人もいるだろう。そんなギアでは重たい車体を動かすためのトルクを生み出せず、結果としてエンジンが止まってしまう。

逆に、結構な速度で動いているところで低めのギアに間違って入れかけて、ガガガガッなんてことは1度くらい経験したことがあるだろうか?

 

動いていないものを動かすには、太いトルクが必要だ。動きのキョリとしては小さくとも、確実に前へ進める力を生み出すことができる仕組み。

反対に、調子のいい時にそんな少ししか動かないギアに入れてしまっては、うまくいっている動きにブレーキをかけることになりかねない。システム全体をこわしかねない大事にもなる。

 

仕組みには、その時々に応じた選択が必要だ。

 

 

 

人にも、仕事の立ち上げが得意な人、今走っている組織を拡大することが得意な人、安定させたり、加速させたりするのが得意な人、さまざまだ。

そうした企業を支える屋台骨の事業1本、と言うのはやはり心もとなく、1本走り出したら、次の1本を走らせて、会社自体を安定させようと奔走する。

 

そんな時に会社の中を見回してみて、「立ち上げ」を担う者がだれ一人いない状態では、次の事業は成り立たない。みんな「加速、拡大」にばかり得意分野を持っていたところで、会社は安定しない。

 

ということは翻って、会社を拡大、加速させることができる人…ばかりを持ち上げる評価体制や、評価基準になっていては、最初は良くてもいずれ窮地に陥る可能性が出てくる。なぜなら、そうした人材が枯渇し、1本目の事業が下火になった時に、次を支える人材が賄えなくなるからだ。

 

そうなってから人を集めていては遅すぎる。が、効率を突き詰めたりする段階で、目の前の利益ばかりに気を取られていると、次の準備が「無駄」にさえ見え、結果的に大穴を開けてしまうことがある。

 

あなたのギア比はいくらですか?

ロー、セカンド、サード?早いが撮り得か?トルクが太いのが取り柄か?

そうしたバランスが大切。