廃れる技術

最近の特撮を見ると、映画にせよ週に一度の番組にせよ、かなりCGで処理している箇所が増えているように見える。まぁ当然だろう。そう簡単にモノを吹っ飛ばしたり、燃やしたりということにお金をかけられなくなった昨今。後処理のCGでの加工処理も、昔に比べれば格段に楽に、かつ簡単になっただろうことを想像すると、そうして処理するのは当然の事。

 

でもやっぱり「本物の迫力」というのも実際には存在する。単純に、安上がりだからとそちらに切り替えることで、完全に賄いきれない部分が技術としてすっぽり抜け落ちたまま、次の世代に移る。と、過去の技術はそもそもコスト的にペイすることができず、技術そのものをはじめとして、情報も、素材も、道具も、徐々に消え去っていく。そして気が付いた時には、昔のようにはいかないけれど、どこが違うのかわからないなどということにもなりうる。

 

本当に技術を乗り換えるのは難しい。古い技術を過去のものとし、新しい技術に乗り換えるには、その新しいことで得られるものと同時に、何を失うのか、そしてその何がと言う事がすべて見えていないと言う事すら意識されていないことが大きなリスクとなる。

見た目、気づいていることだけで進めなければならないことがほとんどだけど、気づけていないリスクというのはなんにでも存在する。それを怯えすぎていては前に進めないのだけれど。