きっちり、ぼんやり

リーダーのタイプにもいろいろある。

部下に仕事を指示するときのことを考えてみる。
「○○君、今度君にはこの仕事を頼みたいんだ。それはね…」
と、その仕事の中身について、詳細にやり方を含めて指示。それらをいついつまでにやってほしいと細かに説明をする。(a type)
他方、
「○○君、今度君にはこんな仕事を頼みたいんだ…」
と、同じようなことは言うのだが、基本的な方向性や最終成果物は示すものの、その細部に至っては指示はない。簡単な内容。(b type)

この(a type)のやり方、確かにうける方は事細かに内容を指示されておりやり方は明明白白。それをこなすことが仕事をこなす事そのもの。やり方でわからないところがあれば、聞き直すこともやぶさかではないし、聞き直さないわけにはいかないだろう。

他方(b type)では、ゴールは示されているがその道のりはぼんやりとしている。それを、決められていない/分からない、ととらえるか、自分のやり方でやっていい/裁量が与えられた、ととらえるか。

一般的に、仕事初心者、その仕事は初めて、という人にとっては、指示型が良いとされる。だが仕事に従事してもう十うん年という人の場合には、権限移譲を行うことが良いとされる。

とはいえ、権限移譲されたところで、受けた方は不安にもなる。本当にそこは自分で勝手にやっていいのか?それをどこまで自分の裁量で進めていいのか?
ずうずうしい人ほど、そういう場面ではうまくいくこともある。でもずうずうしくないなら、「どこまでやっていいのか?」を確認すればいい。
しかしそこもコミュニケーションの取り方が重要だ。
「○○って、どうやるべきか指示が出ていないんですが…」
なんて聞いちゃいけない。
「○○って、こうやろうと思いますが、こんな感じで進めていいですか?」
と“提案”を含めよう。そこに自分で考えたやりかた、考えを含めることで確認となる。

もしそこで、「そいつはだめだ!」となるなら、それはだめだとわかる。ならそこで聞けばいい。「私はこういう理由でこのやり方を選んだのですが、何がいけないんでしょう?」理由が分かれば、それに沿った次の選択肢も考えられるし、もしかするとそこには指示が出るかもしれない。でもそれでいい。

きっちりこなすのも仕事、ぼんやりを自分なりにこなすのも仕事。そして後者は「考える」事が必要になり、「コミュニケーション」が欠かせない。
そして会社は、そういう人になってほしいと望んでいたりする。