過去の環境

あなたの家に、CDは何枚あるだろう?

カセットテープはどのくらいお持ちだろう?
レコードはお持ちだろうか?
MDは、DATは…

すでに今の20代は、もしかするとそうしたパッケージメディアは、数えるほどか、それとも全く持っていないという人たちもいるのかもしれない。CDくらいはレンタルするものの、実質的な音楽と言うのは「ファイル」であり、それはパソコンをベースに蓄積し、そこからクリックして聞き出すものだという認識が当たり前になっているのかもしれない。


パッケージメディア(自分で録音不可)と、記録メディア(自分で録音可)とを一緒にしてしまっているところがあるのは分かっているのだが、今、いわゆる音楽シーン向けとして残っているのは、実質的にはCDとカセット、それ以外はほぼすべてがファイルでの扱いになっているというのが現実だろう。

あなたの家に、今、パソコン以外にCDをかけられる環境はおもちだろうか?
あなたの家に、今、カセットテープをかけられるラジカセやデッキをお持ちの方は、何人いらっしゃるのだろうか?実はカセットは今、リバイバルブームが一部で起きているとも聞いているのだけれど、どのくらいの規模なのだろうか?

昔のカセットデッキ、それこそヘッドからはじまり、回転機構等々、日本の技術の粋が込められて作られており、大変良い音がした。が、今やそれらは東南アジアあたりで作られるOEMであることがほとんどで、日本製のそれを見つけるのはかなり厳しい状況だろう。
放送局でさえ、時局の中において、カセットテープをかける装置でまともなものが減っている昨今。

しかし、「過去の音」は、実はそういう形で残っているもの。そうして、それら過去メディアを、良い環境で再生できると言う事は、機会は少ないにせよ、切実に望まれている環境であることも事実。

何社もそこに商機をもとめて立ち上がったとしても、ビジネス規模は小さい。
しかし、確実に過去メディア、それは音のみならず、映像も含めて、切実に希望されている人々はかならず存在していると思っている。

そうした記録メディア規格を作ってきたメーカーの責任は、どこに行っちゃったのかなぁ。