開所式

知人の会社が新しいオフィスを構えた。

もとの場所はといえば、どちらかと言えば「工場」と呼んだ方がよいような場所らしいのだが、社員の方々の工夫で、それは見違えるようなスペースに変貌していた。

板張りの床に、腰掛ベンチにもなるような収納棚。物はまだ少ないけれど、言うとするならば、幼稚園のお遊戯室をイメージさせるようなそんなスペース。
いろんな想像や、創造を想起させてくれそうな、そんなスペース。

いわゆるIT企業っぽい「オフィス」とは違うかもしれないけれど、でもIT企業のような“匂い”を感じさせてくれる。

開所式に集まった方は老若男女さまざまで、関係者のお子さんも入っていたことにより、下は4歳5歳から上は50過ぎまで。みんな思い思いの場所に座り、持ち寄られたお菓子や、提供されたケータリングをつまみながら、時間を過ごす。
ああいった、ぼんやりした時間、私はとっても好きだったりする。誰かと話をするのもよし、時には誰かの行動をぼんやり眺めていることができることが楽しかったり。

会社自身はまだ小さいけれど、とにかく社長がいろいろ頑張っている。頑張りすぎて壊れてしまうことが心配なほどに。

大きくなることも方向の一つだけれど、ファンを増やして、小さいなりの安定性や、他には取りえないビジネスの特徴を伸ばして、文字通りユニークな存在になってほしい。

その時に訪れる機会があったとしたらどんなふうに変貌しているだろう。

会社自身も、オフィスも。