やっとそろって来た今だから

その昔、任天堂のゲーム機で、バーチャルボーイというのがあった、というのを記憶している人は、たぶん30代より上ではないだろうか。

鳴り物入りで出て来たものの、大きくコケルこととなったこのゲーム機。

 

10年まではいかないかもしれない。液晶テレビももう一般家庭にどんどん入りだしてきて、どんどんと新しいフィーチャーを搭載しなければ、単品の価格を維持するのが難しくなってきたそんなころ。テレビも3Dだと規格がきまり、その規格にそったテレビ、DVD等々が発売された。
店先にも3D鑑賞コーナーが設置され、専用メガネも用意された。確かに飛び出してた。ちょっと暗かったけど。

 

そこから少し遅れたぐらいで、映画も3Dだともてはやされた。実験的3D映画もいくつか出てきた。もっとも当たったであろう作品は、アバター。ご覧になった人も多いだろう。最近だとゼログラビティーあたりだろうか。

でも、テレビにおいては、いまや店先で3Dを売りにするテレビはない。いや、場合によってはカタログの片隅に小さく書かれている程度で、売り文句にすらなっていない。それよりも何よりも、3D放送などという放送された番組を見たことがない。もしかすると、CSなどのペイチャンネルではやっていた/いるのかもしれないが、やはり普及させるためには、無料の地上波でやらなければ実質的意味はないだろう。
結果、御覧の通りテレビの3D化はもろくも崩れ去った。そして今や次のネタ、4Kだいや8Kだと騒いでいらっしゃるが。

 

映画はそれでも3Dものをすこーしずつは作っているんだろうか。あれも方式がいくつかあるようだけれど、要するにコンテンツがなければ宝の持ち腐れ。かといってしょぼいコンテンツでは意味がない。

要するに、まだまだ3Dとしてただ見るだけで楽しめる映像体験をつくるには、作りこむ時間が必要なんじゃないだろうか?ということで、すくなくとも放送ではとても乗せられるほどには作り込むシステムが対応しきれていない。映画作りのシステムでしか対応できないってことのような気がする。

だが、その映画ならテレビでみるよりもっと環境を含めて良い場所、よい映画館で、ということで、映画館の環境で十分だし、テレビにはその実力は必要ないということに。

 

いや、むしろ、だからこそ「ゲーム機」において、3Dゲームを作りこむことこそが、テレビの、家庭での3D体験を浸透させる意味があると思うんですけど。
せっかくキネクト等等、いろいろ機器が出てきて、テレビも準備ができてきて。そこらへん、どうなんでしょう?中の人。