名前

名前のついていないものは、人々の間でその情報をやり取りするのが難しい。

「ほら、あの、こうした形の、こんな色の、こんな他の○○に似てる…」なんていうことで、既存の何かにそこにある特徴を割り当てて説明することで理解をしてもらおうとする。
しかしそのうちにそれらがめんどくさくなり、「○○に似てるから“どこどこの○○”と呼ぶか」なんてことで名前が付く。それがその特徴を表していればいるほど、その名前は流布されやすくなる。

自然につく名前は、たいていこうした特徴を、何らかの形で名前に反映されていく。
人の名前は、そういう名前(文字)が持つ特徴を持ってほしいなどと親が願いを込めてつけることもある。ニックネームは、音に引かれることもあるが、やはり特徴を表すことも少なくない。

 

そのものについた名前は、そのものの特徴を何等かあらわしているもの。周りに比べて低いところは「○谷」だとか、高いところは「○○台」とついているのも、当たり前であり普通に理解されているだろう。

そこにあと付で「音がかっこいいから」と名前を変えることは、そもそもの特徴をあらわさず、本来それが持っていた意味を失う。いや、その前の名が持つ印象、意味を断ち切りたいからこそ名前を変えると言うのもありだが、名前を変えることにより、情報の遮断、切断をすることで、大切なことを失う手だてを失うこともある。

 

名前は、情報なんだ。