間に合わなくなる戦法
以前いた会社はメーカーだった。なので、モノを作って生業を立てる。
だが、そのモノの仕様を、こうした方がいい、いや、ここはやるべきだなどなど、プロジェクトがスタートした後になっても、さまざまな横やりが入る事ばかり。
最初のころは、プロマネもしっかりとそれら要望に追随しようと努力する。が、だんだんと期限も迫り、ただでさえ厳しい他の作業に加えて、調整作業はもうたくさん。
そんな時、とあるプロマネはこんなことをしていた。
「ほっとくんだよ、しばらく。そしてもう絶対間に合わなくなったころあいで、切り出せば、やらずに済むんだから。」
確かにそうだった。そのプロマネは現場を守り、当初の仕様を守りながら、」確実に成果を生み出していた。結果的に、その後の仕様変更の大半は無視し、進めることによって。
政治がごちゃごちゃしていて、間に合わなくなるまでじっくり待って、もう間に合いませんから、として、前に進める。戦法としては理解する。が、いつまでもそんなことをやっていていいものか?社会は民主主義であったとしても、企業は民主主義でいいものを作れるのか?絶対君主制が良いのか?
明確な答えはないまま、私は結果としてそこを離れた。
若い良いリーダーが立っていればよいが。