継承
テレビがある意味黄金時代になった時。たぶん今から40年から50年くらい前あたりなんだろうか。テレビでは、往年の名画/映画を、毎週やる時間があった。
日曜洋画劇場にはじまり、月曜、水曜、金曜、土曜…。
ほぼ毎日どこかのチャンネルで映画をやっていて、お昼はお昼でB級映画もやっていたりした。
しかしいつしか、テレビにおける映画枠は減っていった。1990年代あたりからだろうか。未だに某局では、ジブリ映画が秋口に放送されたりするけれど、あれは過去の名残。
原因はいろいろあるかもしれないが、そもそも現代においては、ネットを通じたビデオオンデマンドが、日本においてはほぼ確立されている時代。テレビでの映画がなくなったのはもっと前からで、それだけが原因では無いだろう。その理由の一つははたぶん、VHSの普及、その後のDVDの普及、そしてレンタル事業の伸びによるところが大きかったのだろうと思われる。
昭和が平成に切り替わった際、大喪の礼という国民の祭日があり、前日からレンタルビデオ屋の棚が空っぽになったなどという情報は、すでに30年近く前の話。でも今の世の中ではたぶんそれは起きなくて、みんなネットで何とか対応できてしまう、そんな時代。
そう、昨今は、ネット番組が幅を広げているから、娯楽が多岐に渡っているから、だ。
そしてそんなネットにおいて流れているのは、往年のテレビアニメ、ドラマが、まずはどんどんと流れている状況。自分たち(ネットコンテンツプロバイダ)で作ったコンテンツがないから、過去の作品でなんとか番組をつなげている状況。
これ、上記の「テレビが映画を流していた」のと、まったく同じ構図じゃないですか?自分たちのひと世代前のメディア向けコンテンツを用いて、自分たちのチャンネルを埋めている。
でももちろん、すでにネット配信業者は、自らコンテンツを作り出しているし、そしてそれが、ネットであるがゆえに全世界配信を狙えることもあり、莫大な予算を投じて高クオリティのコンテンツを作ることで、圧倒的差異を生み出して、ほかのメディアの追随を許さない状況を生み出しつつある。
ただしそこに、日本のコンテンツプロバイダは…。
本家は常にそうして追い越され、塗り替えられていく。
…と、その次は何なのかな?あと25年くらいすると見えてくるのかも。