エイジレス、と言い換えられても

エイジレス社会。とうとう日本政府はこんなことを言い始めたらしい。

 

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単なる高齢社会対策というよりも、「労働力確保」および「年金破綻回避」の二つの意思がうかがえる。言い換えれば「年金が払えなくなりそうです。だから皆さん、健康な方は、働き続けてくださいね社会」とか「労働力が足らなくて、今すぐに移民を許可するわけにもいかず、だから皆さん、お元気なうちは働いてね社会」を一言で「エイジレス」と言っているに過ぎないでしょ。

 

先日も書いたが、これ、事実上の「ご隠居」の消滅を意味するのではないだろうか?悠々自適に老後を過ごすような過ごし方は、すでに今の日本国ではごく一部の裕福な層にのみ許された行為で、一般市民には許されないということ。

 

…と考えると、(別に全ご老人がご隠居を望んでいるとは思わないが)人々がアーリーリタイアなどを期待していてもできない、して欲しく無い世界。これはやりたいことが制限され始めている、幸せではなくなっている部分がある、ととらえられないだろうか?

 

便利になった、おいしくなった、早くなったなど、うん十年前に比べ、たしかに社会はよくなった「ところも」あるだろう。でも本当にそれでいいのか?僕らの「幸せ」を、「どんな社会にしたいのか」を、今一度しっかりと心に刻む必要はないだろうか。あなたが望む世界はどんな世界ですか?ディテールはともかく、漠然としたイメージでも構わない、お持ちだろうか?それを今のお国に委ねてしまって、満足できるんだろうか?