効率化のはて

いろんな言われ方をしてきたけれど、仕事効率化は、社会人になったが最後、引退するまで言われ続ける、究極の目標。

 

だが、考えてみればすぐにわかる事だけれど、無限に効率化していける…わけはない。同じアウトプットを作るために、最初は1日(8時間)かかっていたところを効率化し、7時間でできるようになり、やがてそれが5時間でできるようになり…と、究極、1秒を目指せるという仕事がどれだけあるだろうか?ない…とは言わないが、大方の仕事はどこかに限界があるものだ。だとするなら、「効率化」だけをみすえた改革方向に進めることこそが、進化の袋小路へと突き進み、やがて行き詰るのは目に見えている事。だが、多くの職場で、多くの上司が、「効率化」以外に現場にはっぱをかけないのはなぜなのか?(たぶんそれを考え始めたところから、あなたの昇進の可能性は高まると思うのだが)

 

全く違う考え方、まったく違う価値観、まったく違う方向性を考え続け、挑戦し続ける以外に道はない。
が、そう考えると、「全く違う…」を評価できる人がどのくらいいるのか?まずいないんだよね。それを評価できる人と、その上で職場には、いくばくかの「変人」が必要になるという事。そうした突拍子もない考え、方向性、着眼点こそが、効率化ではできないブレークスルーを生む力になるはずなのだ。が、ハードルは高い。

 

他方で、売り上げが上がらない会社、右肩下がりの会社の多くで、そうした「目の前の貢献度合いが低い人材」を切り捨てていこうとする。そうした中に、上記の「変人」のほとんどが含まれていることに、どれだけの企業が気付いているのだろうか?

 

一見「無駄」に見えているものは、実は「リスク対応余力」であるという意味に気付き、それを利用して期待されているのは、次の価値観創造の種のはずなのだが。
ただでさえ労働人口が減りつつある日本で、より付加価値の高いアウトプットを望むなら、そうした「変人」が増え、成功へのチャレンジが増えない限り、この国の将来への希望は見えてこないのではないかと思う。