ストックとフロー

9月、そして今回の10月の台風の襲来で、首都圏は大きな被害を受けた。いまだ復興途中の方もいらっしゃると思うのでお見舞い申し上げたい。

 

とは言え、さすがに9月にあったばかりの後でのこの10月の台風であったこともあり、直撃する前の準備はみなさん怠りなかった人が多くいらっしゃっただろう。であるが故の11日金曜日のスーパー、コンビニの状況だ。早いところでは10日の夜からそうだった店もあったようだ。

何があったのか?それはスーパー、コンビニの棚における商品の殆どが売り切れてしまうといった事象だ。それに伴い、11日の夕方から夜にかけては、それぞれの店舗のレジに長蛇の列が続いた。私もその中に並んだ一人。

 

この状況を見て、個人的にはこう感じた。スーパーも、コンビニも、何かたくさんの商品が「ストック」されているように見えて、多くの求めがあった際にはすぐになくなってしまう。そう、それは「ストック」に見えるけれど実際にストックされている量などさほど大きなものではなく、ほとんどが「フロー」によって成り立っているのだという事を思い知った。

あれほどの棚の量、商品量が、ずっと切れることなく並び続けているという状況があり続けるのは、それは、供給足る日本の殆どにおける流通網、トラック網が、短いところでは数時間に一度、モノを送り届けてくれているからこそ成り立つ「風景」であり、それが止まったとたんにすぐに棚などからになるという事。

 

 

経営において、というか、メーカーにおいて、「在庫」すなわち「ストック」は悪だと呼ばれることがある。であるがゆえに、いかにしてストックの量を減らすか、在庫量を適切に減らせるかという事に血道をあげる場合がある。だが当然ながら、ストックが減れば、供給路が絶たれると突然回らなくなる。企業も、社会も、経済も。

「それ」が流れ続けることで生き続けることができるのは、お金も、食べ物も、商品も、もちろん水も電気もガスも電波も。

流れ続けるからこそ、その恩恵にあずかれる。流れ続けさせることの重要さが身に染みる。