他者と同じで

関東地方においては、朝の通勤時、満員電車で通う事はある意味当たり前であり、さらにそれに加えて、昨今においてはその列車自体に遅れが出ることも、日常茶飯事となっている。であるがゆえに、会社にたどり着いた時点で、その日のパワーの何十%も使い果たしていて、仕事にかかるためにはパワーの回復が待たれることもあったりする…というのだから、「なんのために仕事に来ている」のかわからなくもなる。

そうした事情もあってかなかってか?昨今はやっと少しだけ、リモートワークや、自宅勤務が認められる企業が散見されるようになってきた。そう、すべてのメンバーがすべて「そのオフィス」に出ている必要などないではないですか。そもそもフリーアドレスなどといって、会社の中においてさえ自分の場所が決まっていない職場がある。となると、それが拡張されて、「たまたまその時は自宅の書斎で」でも、全く支障がないはずだ。

 

ただこういうことになれない類の人がいる。いわば旧人類とでもいいうべき職場の上司。彼らは「顔が見えて」こその職場が重要だと感じていたり、「自分の都合の良い時にはいつでも」その相手を自分のデスクに呼びつけたくなったりするわけだ。であるからこそ、ターゲットたる相手は「オフィス」に居てもらわなければ困ることになる。

 

それに対して、昨今の若者は、通信ツールを様々に使いこなすのはお手の物。LINEをはじめとして状況確認ツールは行き届いているし、それこそ自宅をはじめ街中の様々な場所においてでも、通信環境が確保されているところがほとんど。自宅でネットができない人の方がマイノリティだろう。少なくともスマホひとつあれば、通信はできるし、回線さえ太ければ、ビデオチャットだってできるのだ。

 

もちろん、チームでの作業が必要な場合もある。だがそれとて毎日毎日、100%顔を見合わせながらやるべき必要はないはずだ。であるからこそ、出社日はそのチーム一斉に、たとえば火曜日の午後だけとか、水曜と金曜の二日間と決め打ちすればいいだけの話。これだけでそうとうに通勤地獄から解放される人は減少するわけだし、そもそもそうしたリモートワークに向かずに出勤しなければならない人たちの混雑は、かなり解消されるはずなのだ。

 

と、これからすると、「みんながリモートワークをするからうちも」ではなく、それこそ「うちの会社はかなりの仕事でリモートワークで活躍できます」という事自体が、会社の売りになるはず。他の会社がやっているから…の横並びであることこそが、その会社の価値を下げているという事。
これは休日の考え方でも全く同じで、みんなが休んでいるからうちは働こう…くらいの気概があってもいいはずなのだ。もちろん、働き手の中には、ほかの家族は休みなのにと休みを取りたい人もいるだろう。それをどう扱うのかすら、そこの会社の特色であり、売りになるはず。

 

ということで、今年のゴールデンウィークは10連休なのだとか。で、全部休むわけ?これこそ、みんながやっているから、私も…発想じゃね?