イレギュラーとの出会い

Amazonもそうだし、Youtubeなども同じだけれど、ある商品、ある映像を見ていると、その次への情報として「これを見ていた別の人は、こんなものを見ています」といったレコメンド情報へのリンクを出してくる。

最初はこれを、「おっ!わかってるじゃん!そうそう、こんなのをいろいろ見てみたかったんだよね…」と次々にリンクをクリックしまくるわけだ。

 

だがこれ、裏のアルゴリズムがどれほどの精度、どれほどの裏付けの下で次を決定しているのかは知らないのだけれど、あるレベルを超えると、どんどんとつまらなくなっていかないだろうか?なぜなら、同一嗜好性を突き詰めていったとしても、狭く深くなるだけで、広がりが出なくなるからだ。

 

全く話は変わるが、最近の映画館のほとんどは、シネコン形式になっていて、すべて指定席で、見る時間と座席が決まっている。けれど昔はそうではなかった時代がある。今でも地方には残っているのだろうか?「二本立て上映」などという映画上映方式があり、座席も決まっていないなどというのが普通の場合があったのだ。

座席指定はともかくとして、この「二本立て」である。座席が指定されていないので、一度その劇場に入れば、二本見て出てくることが許されているのだ。「お得じゃん!」と思った方、もちろんどちらにも興味があれば「お得」間違いなし。だが、二本立てのどちらにも、等しく興味が持てるような人ばかりだろうか?たとえば二本立てのAには興味があるが、Bは全く興味はない、という事は簡単に起きる。人によってはAを見終わって即帰る人もいるけれど、「せっかく見られるのだから…」とついでにBを見て帰る人もいる。と、思ったよりも面白くって、そもそも特段興味がなかったBに興味が出ることもあったりする。
こうした「イレギュラー」に当たることによって、趣味の幅が広がったり、興味が他へと展開したりするきっかけに。

それに対して、昨今のネットのシステムの多くのレコメンドは、「深掘り方向」がほとんどで、「これに関係するのは…」とどんどんと専化していく方向は得意なのだが、広がりにくいのではないだろうか?

 

そんな検索とか、そんな視聴アルゴリズムとか、当然、もう考えているとは思うんだけど。

口コミ、友達って、やっぱりこうした予想外の何かを与えてくれるキッカケなんだろうなぁ。