傾向

昨今の事件というか、ネット炎上の件を見てみても、似たような傾向、とらえ方によって、同一のパターンに見える事件が増えてきているような気がしている。

 

一つは、コンビニの24時間営業やドミナント戦略による、コンビニオーナーとコンビニ企業との対立。企業サイドは一流企業でもあり、法律による縛りを受けているため、あからさまに禁止します…とできないところはあるものの、「そこはオーナーの一存にお任せします」といった言葉で濁して、結果的に企業サイドの意に添わなければ、ドミナント戦略をとるなどの措置による実質的嫌がらせなどで、企業サイドの意に添わせようとする。

 

最近のもう一つの事件は、育休を取った男性が、(会社的には見せしめではないと言いながらも)本人的には納得のできない転勤を迫られ、仕方がなく退職した事例。これだって同じだ。企業サイドは法律で縛られているのではあるけれど、一社員に対して、実質的に嫌がらせに近い形で、会社の意に添うように強いる行為。

 

ある意味、昭和はもちろん、平成の時代であったとしても、「まぁそりゃそうだわなぁ」と日本人的には黙って従ってきた事例はあっただろう。

それがさすがに昨今になると、そうしたあまりに理不尽な状況を、たとえ個人であっても広く知らしめるツールがこれだけ広まり、事実上誰もが無料で使えるようになっているという事。これまでなら間違いなく泣き寝入りしていた自称であったとしても、それを白日の下に引きずり出す力を、個人レベルで得ることができているという事実。

ここ数年は、あまりに当たり前になったからか聞かなくなってきた気がするが、それ以前の企業では「コンプライアンス重視」なんて言う言葉すら流行っていた時代もあった。が、逆に言えばコンプライアンスギリギリまでは社員にきつく当たり始めてもいるという事実ではないだろうか。

 

そのくらい、個人も、企業も互いに余裕がなくなってきている社会、それが今の「日本」であり、物価も上げられず、給与も引き上げられず、若者が減り、働かない者が増える国になろうとしているという事。

いや、「働けばそれでいい」のではなく、より少ない労働人口では、今まで以上に効率的に稼がなければ、いずれジリ貧に陥ることは確実なのだが。

もう高齢だから逃げ切れるとか、若者だから外国に逃げよう…ではなく、若者は若者なりに、高齢者は甘えることなく高齢者なりの貢献と努力をしていく必要が出てきている社会。個人も、地域も、社会も、国も、要するにずっと努力,研鑽し続ける必要がある社会に変わりはないという事か。

覚悟して働け、と。